前回は精製方法の風味の違いについてお話ししましたが、

産地でも風味の違いが出てきます。

今更ながら、コーヒーは農作物。
 土壌が変われば個性が出てきます。
焙煎度合いが選べるコンパスコーヒーでは、

浅煎りと深煎りで味の感じ方が変わるので、

一概に、
『このコーヒーは○○な風味』
など言い切りません。

しかしながら、今回こういった特集なので、
ざっくりと特長を書き別けて行こうと思います。


+
+
+




コーヒー発祥の地アフリカ

諸説ありますが、

エチオピアの羊飼い・カルディの羊たちが
赤い実を食べて興奮しているのをみて、
コーヒーの木を発見されたという説

があります。


エチオピアをはじめ、
ケニア・タンザニア・ザンビア・ウガンダ

今まで扱ったことのある国はほかに、

マラウィ・ジンバブエ・カメルーン
コンゴ・ルワンダ・ブルンジ

アフリカのコーヒーはどこの国も
力強いインパクトのある風味が特長であり、
最大の魅力です。





ナチュラル精製
果実味が強い

ウォッシュド精製
すっきりしているが、甘く華やかな香りの余韻



浅煎りと深煎りでは表情が全く異なる。
浅煎りではすっきりした口当たりで緑茶やハチミツ、
多様なフルーツを思わせる風味。
深煎りではどっしりとフルボディ、カラメルのような後味が印象的に残る。



程よい重厚感だがキレもある。
香りの余韻が長く続くものが多い。


+
+
+




日本で代表的なアジアのコーヒーと言えば、

インドネシア スマトラ島のマンデリン

精製方法でもお伝えしましたが、
独特と言ってもいいほど特長的な風味を持っています。

そのほか、インド・ミャンマー・東ティモール・イエメン

取り扱ったことがあるのは、

ラオス・ネパール・パプアニューギニア・ベトナム・中国

アジアもナカナカの個性派揃い。

スッキリ軽いものもありますが、
華やかな香りや
後味にスパイシーさを持つものまで多様です。




フルボディ、華やかな香り、セミドライのフルーツ感



レーズンを思わせる、モカ特有の香りと風味。
深煎りにすればカカオのような風味も楽しめる。



甘味がしっかりありつつ、
香ばしさが後から追いかけてくる



浅煎りでは程よい重厚感と
華やかな広がりのある香りと酸味。
深煎りではカラメルを思わせる風味も出てくる。



瑞々しい印象。
ものによってはケニアを思わせる
力強い風味をもつものも!



+
+
+




カリブ海も含む中米。

超が付くほど有名なブルーマウンテンはジャマイカ産。

グァテマラ・コスタリカ・メキシコ・ニカラグア
エルサルバドル・キューバ、ホンジュラス

瑞々しくやわらかい印象のものから、
自己主張をしっかりしてくる豆
まで、

まさにコーヒーの遊園地です。



全体的に軽い風味だが、
甘味・苦味・酸味・香りのバランスが抜群に良い。



浅煎りではオレンジのような柑橘系の酸味
深煎りではコクがしっかり出て、
香りの余韻はかなり長く続きます。



すっきりとした味わいの中に
甘い香りがやわらかく広がっていく。



やわらかな風味だが、
香り・味わいの余韻が長く続きます。



麦を煎ったような香ばしさとコク



+
+
+




アラビカコーヒー生産量第1位を誇るブラジルを筆頭に

コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビア

日本人が一番馴染みのある“コーヒー”は
南米ではないかと思われます。

カラメルやナッツの様な風味、
マイルドに飲みやすいのが南米




やわらかな苦味とナッツのような香り。
コーヒーの代表格。



マイルド・コロンビアという異名?を持つコロンビア。
やわらかい風味と上品な香り



軽めの口当たりだが苦味がマイルドで
甘味の余韻が程よく続く。



甘味と香ばしさが広がり、
どなたでも受け入れられる風味。



+
+
+
+
+


数年前にブラジルのコーヒー農園視察に行った際、

多様な試みをしている農園を
見て、体感してきました。


定期的な土壌調査、
不足している栄養分はシステム管理され、

ボタンひとつで足りない区画に
肥料を送給できる仕組みがなされていたり、

精製の際に出てしまう
コーヒーチェリーの果肉は肥料に、

ウォッシュドで使用した水は
フィルターでろ過し再利用したり、

土壌・水質、環境汚染にならないよう、
いろいろな工夫が凝らされていて、

どの農園主も熱心にコーヒー栽培に取り組んでいました。

ひと粒ひと粒、大事にしたいですね。