焙煎度合いや粉の粒度、蒸らしについて書いてきました。
コーヒーを抽出する際、主にお湯を使います。
近年、水出しコーヒーも人気が出てきたので“主に”という言い回しをしました。

水からでも抽出は可能なのに、なぜお湯を使うのか
を、ヒモ解いていこうと思います。

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基本的に味の出方は、
1、酸味 
2、甘み 
3、苦味 
の順で“温度”によって味の出方の強さは変わります。

酸味は比較的どの温度帯でも素早く出ます。
甘みは酸味の次に香りとともに抽出され始める。
苦味は3番目に持ってきましたが、
早く出るものから、非常に遅くに出てくるものまで様々。
《因みに遅くに出てくる苦味は、エグミ・雑味 の成分。
聞いただけでシブイ表情になってしまいます(-"-)》

これらの調整は湯音で調整出来ます。
高温であれば、粉に対してお湯の浸透スピードは早く、
低温であれば、粉に対してお湯の浸透スピードがゆっくりになります。
このことを利用して出したい味を調整していきます。
下記は極端な温度の違いによる味の出方を例にしました。


浅煎り × 高温(95℃)
 →酸味と苦味のバランス◎。メリハリのある風味が出せる。

深煎り × 高温(95℃)
 →スッキリとしたキレのある苦味。重厚感よりもあっさりした質感。


浅煎り × 低温(85℃)
 →酸味はしっかりとあるが、ボディが無くなる。

深煎り × 低温(85℃)
 →まろやかな苦味と舌触り、余韻を辿っていくと甘みが感じられる。


さらに上記より低温になると、
例えば45℃では色が薄く、香りの出が非常に悪い。
酸味も苦味も、全体的に弱い味わいになっていきます。

さらにさらに究極の低温抽出は水出しになります。
苦味も雑味も出にくくなり、良く言えば、マイルドなコーヒーに仕上がります。
美味しくないコーヒーをなんとか飲もうとする方法
として考えられたと言われています。

これらのことでおわかりになるように
抽出温度は、味・香り・コク、そして舌触りにも影響を及ぼします。

以上をふまえてコーヒー抽出出来れば、さらにプロの味に近づけます。